マルカワ 国産デニム

MACHIDA MARUKAWA 「本店」

2021年3月21日町田のランドマーク的存在であったマルカワ「本店」が閉店となりました。
弊社にとっても市内に残る唯一の実店舗でありましたが、本店オープンから60年という長い歴史に幕を下ろしました。
過去にはテレビなど各メディアの取材等受けていた事もあり、情報を聞きつけた一部メディアでマルカワ「本店」のニュースが取り上げられ我々の予想を超える反響があり、閉店を惜しむ声やSNS上の書き込みを目にする事が多く、いかに多くの方々からご愛顧を頂いていたのか、改めて知る事となりました。

マルカワは、1948(昭和23年)年創業の書店からスタート。当時は店の軒先に戸板を並べて中古のジーンズを販売。1961(昭和36年)年現所在地にジーンズショップマルカワ「本店」をオープン。
1966(昭和41年)年以降本格的にチェーン展開を開始。ジーンズショップのロードサイド型チェーン店の草分け的存在となる。時を同じくして1965(昭和40年)年に国産ジーンズが誕生し、国内に於いてもジーンズが市民権を持つようになる。
その当時からジーンズは、音楽、映画、様々なカルチャーと結び付き若者達に多大な影響を及ぼした。そんなジーンズの歴史と共にマルカワは歩んできましたし、ジーンズに対する思いや愛情は誰にも負けない自負があります。


MARUKAWA 「本店」の記憶を具現化するプロジェクト

マルカワ「本店」の閉店後、お取引先に伺うと必ず「本店」閉店を惜しむ声を頂き、ご存知無い方ですと大変驚かれる場面を目の当たりにし、ご愛顧頂いていたお客様の中には「初めてジーンズを買ったのがマルカワだった」「三世代でマルカワに来ていた」等本当に多くの方々の記憶に残っている事をうれしく思いました。
我々社員にとって「本店」で働く事は、憧れでもあり、ある意味ステータスでした。将来「本店」復活という希望を残した幕引きでもありました。
そんな「本店」をイメージできる商品、その商品を見れば「本店」の記憶が鮮明に蘇る商品を企画するプロジェクトを立ち上げました。
商品自体は、創業当初から携わるジーンズ以外は考えられません。その当時を知る者は社内にはおらず、恐らく当時は米軍の払い下げの履き古された古着のジーンズが主流だったと想像して、当時売られていたであろうシルエットやパーツのディテールを採用しました。新品のジーンズは当時は、未洗い(リジッド)が当たり前だったので未洗いを採用。ジーンズは、ワンウォッシュもご用意しました。
マルカワ「本店」のイメージは、小田急線町田駅西口出て目の前に見える「本店」の外観そのものです。大袈裟ですが町田=マルカワ、本当に町田を象徴するランドマークでした。社内に唯一残っていたビルに立て替えた頃の写真をジーンズの顔でもあるフラッシャーに落とし込み、革パッチには、マルカワロゴ、創業年度、「MACHIDA、TOKYO」を刻印しました。町田の発展、成長と共に歩んで来たマルカワだから出来る町田へのオマージュを詰め込みました。マルカワそして町田を愛して止まない方々に是非着て欲しい一着に仕上がりました。


MARUKAWA FIRST MODEL LOT.001DENIM PANTS

限定300着 / PRICE ¥19,800 Tax in
Size 30, 32, 34, 36, 38, 40 / RIGID / ONEWASH
No.411-155-0001

商品情報

▼取扱ECサイト
・ZOZOTOWN:購入ページはこちら

▼取扱店舗
・湘南店:店舗情報はこちら
・座間店:店舗情報はこちら
・藤沢湘南台店:店舗情報はこちら
・中野店:店舗情報はこちら

マルカワ「本店」がオープンして間もない頃、1950~1960年代に作られたオーセンティックなシルエット、ディテールを再現したレギュラーストレート。この年代では国産デニム生地で国内縫製を行っているメーカーは存在していませんでしたが、全て国産にこだわりました。今回使用したデニム生地は、岡山県井原市製(岡山デニムの産地)たてが7番よこが8番の12.5オンスの弱ストレッチセルビッチデニム、見た目はヴィンテージレプリカジーンズばりですが穿きやすさを追求しました。
縫製も岡山県児島にある縫製工場に依頼、革パッチもフラッシャーも国内メーカーに依頼致しました。無骨さと現代の新素材との融合から生まれた1stロットデニム。マルカワを肌で感じられるジーンズの色落ちを楽しみながら最高の1本を作り上げてください。

今は無き旧ロゴを刻印。
マルカワと共に成長した「MACHIDA」は一心同体です。
ビルに建て替えた頃
昭和55年当時の「本店」をフラッシャーにしました。
現在の縫製技術では必要ないですがヴィンテージデニムといえば隠しリベットです。


MARUKAWA FIRST MODEL LOT.001DENIM JACKET

限定100着 / PRICE ¥27,500 Tax in
Size 38(M), 40(L), 42(XL), 44(XXL), 46(XXXL) / RIGID
No.311-155-0001

商品情報

▼取扱ECサイト
・ZOZOTOWN:購入ページはこちら

▼取扱店舗
・湘南店:店舗情報はこちら
・座間店:店舗情報はこちら
・藤沢湘南台店:店舗情報はこちら
・中野店:店舗情報はこちら

Gジャンの元祖と言われる「1st」をリスペクトしたモデル。
デニム生地は、ジーンズと同じたて7番よこが8番の12.5オンスの弱ストレッチセルビッチデニムを使用しヴィンテージレプリカには無い着やすさを追求しました。
特徴的なディテールでもある前立てのセンタープリーツ、シンチバックを再現。

前立てのセンタープリーツ。元々はサイズ拡張の為でした。今となってはアイコニック的デザインです。
シンチバックも1stモデルならではのディテールです。


マルカワ メイドインジャパンデニム開発者インタビュー

取締役 商品部部長
山本茂彰

商品部バイヤー
大路泰広

ー今回のメイドインジャパンデニムを作られた経緯を教えて下さいー

山本「ここ2,3年カジュアルウェア業界以外の方々とお会いする機会が多く、ほとんどの方々から昔○○店でジーパン買ってましたとか、学生時代行ってましたとか、よく耳にしてきました。長年ジーンズを売られているからオリジナルのジーンズとかもあるんですかとも、よく聞かれました。ジーンズショップとして長い歴史と知識があるんですからマルカワオリジナルデニムを作った方がいいですよとかなり多くの方から言われましたね」

大路「まったくやった事が無い訳ではないんです。実際現在もJeanismというブランドをエドウィン社からお借りしてマルカワでしか買えないジーンズを展開していますが、社名を打ち出したジーンズは確かに無かったです」

山本「ジーンズはもともとワークウェアがはじまりで、縫製やポケットの改良等技術面の進歩はありますが誕生してからの大きな変化はなく、無駄な部分がそもそもない完成された製品なんです。正直どう商品化するか悩みました」

大路「ジーンズのシルエットや加工も出尽くしているし、ヴィンテージレプリカの方向性もありかなと思い国内有数のブランドにもオリジナルデニムの話を前振りして、内容によっては受けて貰える感じでしたが、へヴィーオンスのヴィンテージレプリカをマルカワオリジナルで作る意味あるかなぁて、先の有数ブランドと同じ商品作ってもそのブランドには負けるよなってなり断念しました」

山本「やっぱり穿きやすい素材がいいなって、年齢的にも(笑い)ストレッチが効いたセルビッチデニムとかおもしろいんじゃない。形、見た目はオーセンティックでいいけど、とにかく穿きやすいのがいい」

大路「まぁ探せばセルビッチだけどストレッチ効いてるものあると思うんですが、個人的には思い付かなくてこの素材ならマルカワオリジナルデニムとして作る意味があるんじゃないかと思い、生産を受けてくれそうな取引先にかたっぱしから声をかけましたよ。国内で作るからには産地にこだわろうと、そして素材にもこだわろうと。何社とも商談して、最終的には岡山県倉敷に本社があるマルカワとは古い付き合いのあるメーカー様に依頼をしたんです。岡山産デニムを岡山、児島の工場で縫製することに」

ージーンズの顔でもあるフラッシャーとかパッチとか今日はじめて見たんですけど、これって本店ですよねー

大路「自分もこの頃の本店とかそもそも入社するまでマルカワって知らなかったからね。ジーンズ買うならジー○○○○トとかサ○○ンだったから。ビルに建替えた頃のパネルが社内に残っていて、それを撮影して大人の事情で使えないロゴとか加工して消してもらいました」

山本「恐らく1980年代の本店だと思います。加工で消えてますが、今も取引のある各ジーンズメーカーのロゴがびっしり入ってましたね」

大路「このフラッシャーや革パッチのデザインは、外部に依頼せず社内でやりました。ロゴのフォントだの配置だの変えた試刷りを何枚も出しては、どれにするか悩んだ末最終的には多数決で決めました。やっぱりマルカワと町田は切っては切れない間柄ですから町田の文字は必ず入れようと」

ー何か苦労されたところとか、すでに話のなかでもこだわりが見えますが一番こだわったこととかー

山本「細かい所は大路に任せていたので(笑い)」

大路「そうですね。サンプルはファーストとセカンド上げてもらって、間違え探しみたいな感じでしたね。ジーパンもGジャンも元になったサンプルがあるんです。その両方を比較計測してポケットの位置とか大きさとかリベットの打つ位置やステッチの幅を数ミリから数センチ単位での修正を御願いしました。特にジーンズのバックポケットは高さや内側寄りか外側寄りかで印象ががらりと変わりますからね」

山本「でも一番こだわりはジーンズを入れる箱じゃない。昔のリーバイスのヴィンテージで箱入りがあったんです。それを再現できないかなって。湘南店にあるからそれを借りてきてこんなの作ってよって」

大路「こだわりは箱も含めて全部ですが、一番大変だったのは箱製作ですかね。マルカワは衣料品を仕入れて販売するんです。まさか箱を作るとは(笑い)。業者もいっぱいあって、箱の種類や大きさや心材の種類、心材に貼る紙の種類。どうゆう印刷をするのかで見積りがぜんぜん違うんですよ。全てメールでのやり取りだけで対面で素材やら印刷サンプルを見ながらでなかったのでかなり不安ですね」

ー最後にマルカワの今後とメイドインジャパンデニムの展望について聞かせてくださいー

山本「この5年ほどで市場状況やライフスタイルが大きく変わりましたね。スマホで物を買うのが当たり前になり、目的が無ければそこには行かない。当社もその流れに対応する為、EC事業を拡大しました。現在ではECでの売上が主となっています。しかし、店舗に遠方からわざわざいらしてくださるお客様も沢山いらっしゃいます。そのお客様にジーンズ専門店として、楽しさ、心地よさ、ときには感動を伝えられるようなお店にしていきたい。そのひとつとして今回のメイドインジャパンデニムを企画しました。町田でマルカワ本店復活、その時の為に更なる企画を進めていきます」